リフォームの仕事で、自分の名前で独立したい。けれど、会社を立ち上げるのか、職人として立つのか、許可や保険は何が要るのかが分からない。
独立を考えながら、最初の一歩で止まっている人はたくさんいます。
リフォームの独立は、会社を立てて工事を受ける道と、職人として腕で工事を受ける道の2つに分かれます。どちらを選ぶかで、必要な力も、そろえる手続きも変わります。
【目次】
リフォームで独立するときの進め方は、次の3つにまとめられます。
独立の型を決める:会社を立てて工事を受けるか、職人として腕で工事を受けるかを決める
一人で仕上げる腕をつける:自分の手で現場を仕上げられることが、どちらの型でも土台になる
手続きと仕事の取り方を整える:開業の届出、建設業の許可が要るかの確認、保険、契約の書面、仕事の入り口を、一つずつ確かめて用意する
建設の仕事の経験がない人は、まず職人として腕をつけ、小さな工事から受けるほうが進めやすくなります。腕と取引先が育ってから、会社として工事を受ける形に広げていけます。
国土交通省の「建築物リフォーム・リニューアル調査」(令和7年度、令和8年6月12日公表)によると、リフォーム・リニューアル工事の受注高は16兆4,104億円でした。前の年度より18.7%増えています。
このうち住宅は4兆9,033億円で、こちらも前の年度より18.7%増えました。
工事の部位で見ると、内装の工事も一定の割合を占めています。同じ調査で、住宅のリフォームの受注件数のうち、主な部位が内装だった工事は17.6%でした。
この数字は件数をもとにしたもので、金額の割合ではありません。壁紙や床だけの割合も、公的な資料には出ていません。
日本政策金融公庫の「2025年度新規開業実態調査」(2025年12月5日公表)によると、開業した時の平均年齢は43.9歳でした。
同じ調査で、開業後の採算が黒字基調と答えた企業は67.0%です。ただし、この調査は建設業だけでなく、すべての業種をまとめた数字です。
リフォームで独立する形は、大きく2つに分かれます。仕事の取り方、必要な力、お金の流れが違うので、先にどちらを目指すかを決めておきましょう。
お客様から直接リフォームの相談を受け、工事全体を請け負う形です。自分で施工するほか、職人に工事を頼み、工程と品質をまとめます。
仕事の取り方
お客様からの直接の相談、紹介、ホームページや地域での発信
不動産会社や管理会社からの依頼
必要な力
お客様の話を聞いて、工事の内容と見積もりをまとめる力
職人の手配と、工程・品質・安全の管理
お金の管理(材料の仕入れ、職人への支払い、入金の確認)
向いている人
営業や現場管理の経験がある人
職人として経験を積み、取引先と信頼を育ててきた人
クロス(壁紙)や床、塗装など、専門の工事を自分の腕で受ける形です。リフォーム会社や工務店、内装の会社から工事を受けることが多く、一人親方として働く人が多い形です。
仕事の取り方
リフォーム会社・工務店・内装の会社からの依頼
職人仲間からの紹介
慣れてきたら、お客様からの直接の依頼
必要な力
一人で現場を仕上げられる腕
決められた工期で仕上げる段取り
依頼してくれた会社やお客様との、やりとりの丁寧さ
工事の受け方
職人として工事を受けるときは、施工の手間だけを受ける形と、材料もそろえて受ける形があります。材料もそろえる形では、材料の注文や仕入れ、余った材料の扱いまで自分で受け持つことになります。
どちらの形で受けるかで、見積もりの中身も、手元に必要なお金も変わります。取引先ごとに、どちらの形かを最初に確かめておきましょう。
向いている人
手を動かす仕事が好きな人
営業より、施工の腕で信頼を得たい人
会社を立てて工事を受けると、職人に工事の一部を頼む立場になります。頼む側になっても、建設業法の決まりは当てはまります。
職人に工事を頼むときも、請負契約として、工事の内容や代金を書面にして渡し合うことになります。頼む側として、職人が無理なく仕上げられる工期と代金を示すことも、続けて頼める関係をつくるうえで大切です。
2つの型は、あとから行き来できます。職人として腕と取引先を育て、直接の依頼が増えてきたら会社として工事を受ける、という順番で広げる人もいます。
建設の仕事の経験がない人が、いきなり型1から始めるのは簡単ではありません。工事の中身が分からないと、見積もりも、職人への頼み方も決められないからです。
職人として独立するときは、まず何の工事で立つかを決めます。リフォームの工事には、内装、塗装、設備、大工など、いくつもの分野があります。
先に見たとおり、住宅のリフォームの受注件数のうち、主な部位が内装だった工事は17.6%でした。壁紙や床の貼り替えは、住み替えや入居の前など、さまざまな場面で頼まれます。
許可の業種では、壁紙の工事も床の工事も「内装仕上工事業」に入ります。国土交通省の許可事務ガイドラインでも、内装仕上工事の例として壁張り工事や床仕上工事が挙げられています。
電気の配線を触る工事は、電気工事士法で資格が求められます。水まわりの工事も、自治体の指定を受けた業者でなければ請け負えない工事があります。
壁紙や床の工事は、施工そのものに資格は要りません。そのため、未経験から腕をつけて独立する道として選ぶ人がいます。
最初から多くの工事を手がけようとすると、どれも中途半端になりがちです。まず1つの工事で一人で仕上げられる腕をつけ、そこに近い工事を足していくと、無理なく広げられます。
壁紙の職人なら、床のクッションフロアやフロアタイル、ソフト巾木が近い工事です。同じ部屋の中で一緒に頼まれることが多く、1つの現場で受けられる範囲が広がります。
どちらの型でも、独立の前に身につけておきたい力は共通しています。
独立すると、現場で困ったときに隣で教えてくれる先輩はいません。少なくとも、よく受ける工事は、一人で最初から最後まで仕上げられることが前提になります。
クロスの職人なら、剥がし、パテ、採寸、糊付け、壁と天井の貼り込みまでを、一人でこなせることが目安です。
独立したあとは、仕上がりを確かめるのも自分です。
Kitano壁紙スクールの修了テストでは、受講生が自分で「完了しました」と言うまで、気になった箇所を手直しできます。リフォーム会社のスタッフさんは、テスト中に継ぎ目のわずかな重なりに自分で気づき、貼り直しました。
講師は、最後の「自主点検」こそがプロとしての品質管理の要だと伝えています。
独立すると、何日で仕上がるか、材料はどれだけ要るかを、自分で見通すことになります。工期と見積もりがずれると、それがそのまま自分の負担になります。
独立のタイミングを年数ではなく「できること」で決める考え方は、クロス屋の独立は何年かかる?で詳しく紹介しています。
リフォームの現場では、壁紙のほかに、床やソフト巾木を一緒に頼まれることがあります。できる工事が増えると、1つの現場で受けられる範囲が広がります。
元電気工さんは、独立開業を見据えた特別メニューとして、フロアタイルとソフト巾木の施工を学びました。講習の後半では、トイレの床のクッションフロアにも挑戦しています。
独立を決める前に、次の5つを自分に問いかけてみてください。1つでも答えに詰まるなら、そこが独立の前に準備するところです。
1.どちらの型で独立するか決まっているか
会社を立てて工事を受けるのか、職人として腕で受けるのかで、準備の中身が変わります。迷っているなら、まず職人として立つ前提で考えると、やることが絞れます。
2.よく受ける工事を、一人で仕上げられるか
独立したあとは、現場で困っても自分で判断するしかありません。下地の傷みや、思っていたより狭い場所など、予定外のことが起きても仕上げられるかを確かめておきましょう。
3.最初の取引先の見込みがあるか
独立した初日から、仕事が入るとは限りません。最初に工事を受ける相手の見込みがあるかで、独立した直後の安心感が大きく変わります。
4.道具と作業車をそろえられるか
職人として独立すると、道具や作業車は自分で用意するのが基本です。何が要るかを書き出し、そろえる段取りを考えておきましょう。
5.手続きと保険の段取りが分かっているか
開業の届出、許可が要るかの確認、保険、契約の書面は、独立の前にそろえておきたいものです。このあと順番に見ていきます。
職人として独立するときにそろえるものを、まとめておきます。工事の分野で中身は変わりますが、ここではクロスの職人を例にします。
手道具:カッター、地ベラ、なでバケ、ローラー、パテベラ、メジャーなど
脚立や足場:天井や高い壁を貼るための脚立や足場板
糊付機:壁紙の裏に糊を均一に付ける機械
作業車:道具と材料を積んで現場を回るための車
連絡の手段:取引先やお客様と、すぐにやりとりできる電話やメッセージ
書面のひな形:見積書、契約書、請求書のひな形
帳簿:売上と経費を記録し、確定申告に備える仕組み
ここからは、独立するときにそろえる手続きを、順番に見ていきます。
個人で独立するときは、税務署に開業の届出書を出します。
所得税法の第229条では、新たに事業所得を生ずべき事業を開始した場合の届出を定めています。その年分の確定申告期限までに、税務署長に届出書を出します。取引先によっては、開業届の写しを求められることもあります。
建設工事を請け負うには、原則として建設業の許可が要ります。ただし、「軽微な建設工事」だけを請け負う場合は、許可がなくても営業できます。
建設業法施行令の第1条の2では、軽微な建設工事を次のように定めています。
工事1件の請負代金の額が500万円に満たない工事(建築一式工事の場合は1,500万円に満たない工事)
建築一式工事のうち、延べ面積が150平方メートルに満たない木造住宅を建てる工事
壁紙の貼り替えや床の工事は、建築一式工事ではありません。そのため、1件の請負代金が500万円に満たなければ、許可なしで請け負えます。
請負代金の数え方には決まりがある
同じ施行令の第1条の2には、請負代金の数え方の決まりもあります。
1つの工事を2つ以上の契約に分けて請け負っても、正当な理由がなければ、契約の合計額で判断する
お客様が材料を用意する場合は、その材料の市場価格(と運送賃)を請負代金に加えて判断する
材料をお客様が用意する工事でも、材料の分まで含めて考えることになります。工事が大きくなってきたら、この点に気をつけましょう。
許可を取るときに求められること
1件500万円以上の工事を受けたくなったら、許可を取ることになります。壁紙や床の工事は、許可の業種では「内装仕上工事業」に入ります。
建設業法の第7条では、許可の基準として、経営業務の管理を適正に行う能力や、営業所ごとに営業所技術者を置くことなどを定めています。営業所技術者は、指定の学科を卒業したあとの実務の経験、10年以上の実務の経験、または国が同等以上と認めた資格などで認められます。
細かな要件は、許可を出す都道府県や国土交通省の地方整備局の手引で確かめてください。
会社に雇われて働く人は、会社を通して労災保険に入ります。一人親方として独立すると、労災保険の対象から外れるのが原則です。
ただ、一人親方などが任意で加入できる、労災保険の「特別加入」の制度があります。現場でのけがに備えるため、独立する前に、加入の方法を確かめておきましょう。
一人親方の特別加入は、一人親方などでつくる特別加入団体を通して申し込みます。加入できる団体や手続きの流れは、労働基準監督署や都道府県の労働局で確かめられます。
施工中に物を壊したり、お客様の家具を傷つけたりしたときに備える、損害賠償の保険もあります。取引先によっては、保険への加入を仕事を受ける条件にしているところもあります。
建設業法の第19条では、建設工事の請負契約の当事者が、契約を結ぶときに守ることを定めています。工事の内容や請負代金の額、工事に取りかかる時期と仕上がる時期などを書面に書き、署名または記名押印をして渡し合うことです。
この決まりは、工事の金額の大きさに関係なく、請負契約の当事者に当てはまります。小さな貼り替えでも、口約束で済ませず、書面に残しておくと後のもめごとを防げます。
契約の内容を変えるときも書面にする
同じ第19条の第2項では、契約の内容を変えるときも、変更の内容を書面に書き、署名または記名押印をして渡し合うことになっています。工事の途中で貼る部屋が増えた、壁紙の品番が変わったといったときも、書面に残しておきましょう。
第3項では、相手の承諾を得れば、書面の代わりに電子の方法を使うこともできると定めています。
安すぎる請負代金にも決まりがある
建設業法の第19条の3では、注文者が、取引上の地位を不当に利用して、工事に通常必要な原価に満たない金額で契約を結ぶことを禁じています。
第2項では、建設業者の側も、正当な理由がある場合を除いて、原価に満たない金額で請け負ってはならないと定めています。独立したばかりの頃は、仕事を取りたくて安く受けたくなりますが、原価を下回る見積もりは避けましょう。
独立すると、見積もりと工期を自分で決めることになります。ここがずれると、手間がかかった分だけ自分の負担が増えます。
クロスの貼り替えなら、見積もりには次のような項目が入ります。
既存の壁紙の剥がしと処分:古い壁紙を剥がし、出たごみを処分する手間
下地の処理:パテで凹凸や穴を埋め、平らにする手間
材料:壁紙、糊、パテなどの材料
施工:壁と天井を貼る手間
養生と片付け:床や家具を守る養生と、工事のあとの片付け
下地の傷みは、古い壁紙を剥がしてみるまで分からないこともあります。見積もりの時点で、下地の状態によって手間が増える場合があることを伝えておくと、あとのもめごとを防げます。
工期は、部屋の広さだけでなく、家具の量や下地の状態でも変わります。
見積もりの前に現場を見て、家具を誰が動かすのか、住みながらの工事なのかを確かめておきましょう。工期の見通しが立つと、次の現場の予定も組みやすくなります。
リフォームのお客様は、業者選びに不安を抱えています。
住宅リフォーム・紛争処理支援センターの「住宅相談統計年報2026」(令和8年9月30日公表)によると、寄せられた住宅の相談は30,414件でした。そのうちリフォームの相談は36.2%です。
国民生活センターによると、2024年度には、訪問販売によるリフォーム工事の相談が9,839件寄せられています(2026年5月31日時点)。
これとは別に、「点検に来た」と言って家に上がり契約を勧める点検商法の相談も、2024年度に19,249件寄せられています。
お客様の不安を減らすには、説明と書面を丁寧にすることが近道です。
見積もりの中身を説明する:何の工事に、どれだけの手間と材料がかかるのかを伝える
書面を渡す:工事の内容、金額、工期を書面にして、お客様の手元に残す
仕上がりを一緒に確かめる:工事のあとに、お客様と一緒に仕上がりを見て回る
連絡先をはっきりさせる:工事のあとに困ったとき、どこへ連絡すればよいかを伝える
独立したあとに続けていくには、仕事の入り口を独立の前から考えておくことが大切です。
職人として独立した人の多くは、リフォーム会社や工務店、内装の会社から工事を受けて仕事を始めます。
自分で営業しなくても取引先から声がかかることがある一方で、依頼が途切れると収入も止まります。1社に頼り切らず、いくつかの取引先と関係を持っておくと安心です。
お客様から直接受ける工事は、紹介やホームページ、地域での発信から生まれます。工事の相談から見積もり、仕上がりの確認まで、自分で受け持つことになります。
直接の依頼は、仕上げた現場のお客様からの紹介で広がっていくことが多いものです。一つひとつの現場を丁寧に仕上げることが、次の仕事につながります。
賃貸住宅では、入居者が退去したあとに、壁紙や床を直す原状回復の工事が行われます。不動産会社や管理会社とつながると、こうした工事を続けて受けられることがあります。
原状回復の工事は、次の入居者が決まる前に仕上げることが求められます。決められた日までに仕上げることを積み重ねると、次の依頼につながります。
独立した職人の仕事が途切れる理由は、1つではありません。取引先が1社に偏る、腕や段取りに不安がある、できる工事が少ないなど、いくつかの理由が重なります。
一人親方の仕事が途切れる理由と、独立前にできる備えは、一人親方の仕事がないのはなぜ?で詳しく紹介しています。
リフォームの独立に向いているのは、次のような人です。
手を動かして仕上げるのが好きな人:自分の手で部屋がきれいになっていくことに、やりがいを感じられる
段取りを考えるのが苦にならない人:材料、工期、次の現場の予定を、先回りして考えられる
お客様の話を丁寧に聞ける人:工事の希望を聞き取り、分かりやすく説明できる
一つひとつの現場を丁寧に仕上げられる人:仕上がりが次の依頼や紹介につながる
反対に、営業や事務が苦手でも、職人として腕で工事を受ける型なら、施工に集中しやすくなります。自分の得意と苦手を考えて、型を選びましょう。
独立した直後は、施工のほかに、会社員のときには会社がしていたことも自分で受け持つことになります。
工事を仕上げてから請求し、入金されるまでには時間がかかります。そのあいだも、道具や車、ガソリン代などの支払いは続きます。
独立する前に、取引先ごとの請求と入金の時期を確かめておきましょう。お金の出入りの時期が分かると、手元のお金が足りなくなる心配を減らせます。
一人で働くと、体を壊したときに代わりに現場に入ってくれる人はいません。脚立からの転落や、カッターでのけがには、日ごろから気をつけましょう。
予定を詰め込みすぎず、休む日を決めておくことも、長く続けるための備えになります。
仕上げた現場の写真や、工事の内容は、記録として残しておきましょう。次の見積もりの参考になるほか、仕事ぶりを取引先やお客様に伝える材料にもなります。
建設の仕事の経験がない人が、リフォームで独立するまでの順番は、次のようになります。
1.軸にする工事を1つ選ぶ
はじめは、壁紙の貼り替えのように1つの工事に絞って、腕をつけます。
2.一人で現場を仕上げられるまで学ぶ
会社の見習い、公的な職業訓練、民間のスクールなどで学び、一人で一部屋を仕上げられるところまで進めます。
学ぶ場所によって、学ぶ間の収入、学ぶ期間、実際の現場に入れるかどうかが違います。どこで学ぶかを決める前に、次の点を確かめておくと選びやすくなります。
学ぶ間の生活費をどうまかなうか
練習用の壁だけでなく、実際の現場で施工できるか
一人で一部屋を仕上げるところまで教われるか
学んだあとに、独立の相談ができるか
3.取引先から工事を受けて、経験を積む
リフォーム会社や工務店、内装の会社から工事を受け、現場の数を重ねます。工期どおりに仕上げることを積み重ねて、取引先の信頼を得ていきます。
4.できる工事を増やし、直接の依頼を受ける
床やソフト巾木など、できる工事を増やします。お客様から直接の依頼が来るようになったら、見積もりと書面、保険を整えて受けていきます。
5.工事が大きくなったら、許可や会社にすることを考える
1件500万円以上の工事を受けるようになったら、建設業の許可を考えます。職人を雇ったり、会社にしたりするのも、この頃からで十分です。
独立を目指す人に向けては、独立開業サポートを用意しています。研修に加えて、開業の相談と支援があり、修了後は、条件を満たした人がパートナー契約のもとで実際の現場案件を担当します。
先に挙げた、学ぶ場所を選ぶときに確かめたい点に沿って、Kitano壁紙スクールの講習を見てみます。
実際の現場で施工できるか:講習は、東京23区内とその近郊の実際の請負現場で行います
一人で一部屋を仕上げるところまで教わるか:修了テストでは、部屋の天井と壁を一人で貼り上げます
学んだあとに、独立の相談ができるか:独立開業サポートでは、開業の経験がある講師に、研修中でも相談できます
道具は、受講中は腰袋を含め施工に必要な一式がそろっていて、手ぶらで来られます。
学ぶ間の生活費のまかない方は、人によって違います。申し込みの前の相談で、自分の場合を確かめておきましょう。
Kitano壁紙スクールのホームページによると、パートナー契約の流れは次のとおりです。
稼働を希望する日を申請する
稼働する日が決まると、LINEやメールで仕事の依頼が届く
現場に行って作業をし、完了を報告する
請求書は月に1回、Kitanoに送る
パートナー契約は、営業なし・ロイヤリティ0円です。
パートナー契約の現場では、材料はKitanoがそろえ、けがや物損にはKitanoの保険が適用されます。自分で入る保険との関係も、あわせて確かめておくと安心です。
作業車や糊付機、道具は自分で用意しますが、レンタルの相談にも応じています。現場は東京23区内(一部近郊)で、ごみ捨てや翌日の副資材をそろえるときには、Kitanoの倉庫が使えます。
稼働する日数は自由で、働きたい日を申請して決めます。現場作業中に分からないことがあれば、気軽に聞ける体制になっています。
ホームページでは、パートナー契約の必須条件として「個人事業主の開業届(法人登記)」と「運転免許証」が挙げられています。契約の条件は、申し込みの前の説明で確かめておくと安心です。
独立開業サポートには、多能工の養成も含まれています。多能工とは、さまざまな工事をこなせる職人のことです。
ホームページでは、クロス貼りのほかに、ダイノックシート貼り、塗装、大工工事、クリーニングなどが挙げられています。
パートナー契約は、受講すれば誰でも結べるものではありません。熟練の大工さんの受講風景では、パートナー契約を希望する場合は「相当レベルの施工技術」が必須条件になっていると、講師が伝えています。
その大工さんは、6帖間の天井と壁を一人で貼り上げる修了試験に合格し、パートナー契約の条件もクリアしました。いまはパートナーとして現場で働いています。
元電気工さんは、修了後にKitanoとパートナー契約を結びました。いまは一人で現場を仕上げたり、講師と同じ現場に入って学んだりしながら、スクールの講師「カズ講師」としても活躍しています。
受講生の一日ごとの様子は、元電気工さんの受講風景、熟練の大工さんの受講風景、リフォーム会社のスタッフさんの受講風景で読めます。
独立だけでなく、リフォーム会社が社員に技術を身につけさせる使い方もあります。リフォーム会社で原状回復のクリーニングを担当していたスタッフさんは、社内でクロスの施工までこなせるようになるために受講しました。
修了テストでは、ワンルーム全体の天井と壁を一人で仕上げて合格しています。
コースは次のとおりです。
パーフェクトコース
一人で施工を完結できる基本の習得。床(フロアタイル・クッションフロア)の施工体験を含む
エキスパートコース
柄合わせやソフト巾木まで、現場で通用する応用力
独立開業サポート
研修に加え、開業の支援と、修了後に実際の現場案件を担当するパートナー契約
各コースの詳細は、こちらをご覧ください。
収入は、独立の型、受ける工事の種類、取引先の数、腕と段取りで大きく変わります。決まった答えはありません。
公的な調査でも、リフォームで独立した人や、個人事業主のリフォーム業に絞った年収の目安は出ていません。独立する前に、どの型で、どんな工事を、どこから受けるかを決めておくことが大切です。
できます。工事1件の請負代金が500万円に満たない内装の工事なら、建設業の許可がなくても請け負えます。
ただし、電気工事や水道の工事など、別の法律で資格が求められる工事もあります。自分が受ける工事に資格が要るかを、先に確かめておきましょう。
お客様の話をよく聞き、工事の中身を分かりやすく説明できる人です。リフォームのお客様は業者選びに不安を抱えているので、説明と書面を丁寧にできる人が信頼を得やすくなります。
壁紙の施工そのものに、必ず取らなければならない資格はありません。ただ、腕を示す目安として、国家検定の技能検定「表装(壁装作業)」があります。
実務経験だけで受ける場合、2級は2年、1級は7年の実務経験が受検の条件です。取引先に腕を伝える材料の1つとして、独立したあとに目指す人もいます。
できます。ただし、いきなり会社を立てるより、まず1つの工事で一人で現場を仕上げられる腕をつけるほうが進めやすくなります。そのうえで、取引先から工事を受けて経験を積みます。
一人親方は、原則として労災保険の対象外です。ただし、任意で加入できる「特別加入」の制度があります。
加入の方法は、労働基準監督署や特別加入の団体で確かめてください。
決まった年数はありません。年数よりも、一人で現場を仕上げられるか、工期どおりに仕上げられるかといった「できること」で決めるほうが確かです。
独立のタイミングの考え方は、クロス屋の独立は何年かかる?で詳しく紹介しています。
できることはあります。独立の型を決める、受ける工事を選ぶ、そろえる道具を書き出す、手続きと保険を確かめる、といった準備は、会社員のうちから進められます。
腕をつける時間をどう取るかは、働き方によって変わります。学ぶ場所の日程や、受講の条件を先に確かめておきましょう。
決まった時期はありません。最初は個人で始め、工事が大きくなったり、人を雇ったりするときに会社にすることを考える人もいます。
会社にすると税金の扱いや手続きが変わるので、税理士や税務署で確かめてから決めましょう。
所得税法の第229条では、事業を始めた年分の確定申告期限までに、税務署長に出すことになっています。取引先に写しを求められることもあるので、早めに出しておくと安心です。
建設業法の第19条では、建設工事の請負契約の当事者は、工事の内容や請負代金の額などを書面に書いて渡し合うことになっています。工事の大きさに関係なく、書面に残しておきましょう。
リフォームで独立するときの進め方は、次の3つです。
独立の型を決める:会社を立てて工事を受けるか、職人として腕で工事を受けるか
一人で仕上げる腕をつける:どちらの型でも、自分の手で現場を仕上げられることが土台になる
手続きと仕事の取り方を整える:開業の届出、許可が要るかの確認、保険、契約の書面、仕事の入り口をそろえる
建設の仕事の経験がない人は、よく頼まれる工事を1つ選び、腕をつけるところから始めましょう。一人で現場を仕上げられるようになれば、独立の型も、仕事の入り口も選びやすくなります。
リフォームで独立したいなら、まずは無料でできることから始めてみてください。
Kitano壁紙スクールでは、無料で試せる2つの入り口を用意しています。
無料「LINE職人テスト」
ゲームのような感覚で取り組めるテストです。公開していない動画も見られます。
無料「個別キャリア診断」
ヒムロ最高講師に、15分間相談できます。
詳しくは、Kitano壁紙スクールのホームページをご覧ください。