数年前、友人のタクシードライバーに話したこと|自動運転について
〜介護への転身と、これからは「職人」だよ。という話〜
〜介護への転身と、これからは「職人」だよ。という話〜
今回は、タクシードライバーの友人との何気ない会話から見えた、AI時代における「生き残る仕事」の条件と、内装職人という職業が秘める真の魅力についてお話しします。
第1章:タクシードライバーの友人に伝えた「唯一の生存戦略」
数年前、タクシー運転手をしている友人と将来の仕事について話す機会がありました。
近未来のシナリオとして、2027年頃から日本でも自動運転タクシーの本格導入が進み、2030年にはドライバーという職種そのものが自動運転へ完全に代替される可能性が高いという話をしました。「決められた道路を走り、A地点からB地点へ移動する」という定型的なタスクは、AIと自動運転技術が最も得意とする領域だからです。
当時は半信半疑だった友人も、ニュース等で自動運転の実証実験や導入決定を目にする機会が増え、いよいよ足音が現実に聞こえ始めたはずです。
生き残りの道として、個人タクシーとして独立する選択肢を考える人もいるかもしれません。しかし、将来的に高度な自動運転システムや専用車両を自前で導入・維持するとなれば莫大なコストがかかり、個人の財力でそれを備えて大資本と対等に渡り合うのは不可能です。個人か組織かを問わず、「ただ車を走らせて人を運ぶ」というビジネスモデル自体に個人でしがみつくのは限界があります。
そこで私が友人に提示した唯一の解決策が、「介護タクシー(介助を伴う移動支援)への転換」でした。
車を走らせる作業が自動化されても、車からベッドや車椅子への移乗、病院窓口までのサポート、体調の急変への臨機応変な対応といった「人の手による介助とホスピタリティ」は、ロボットには代替できません。そこにこそ、彼がこれまで培ってきた経験と対人スキル(人に対する優しさ)が最大限に活きるのです。
もし私がタクシードライバーの彼だったなら、いま言った懸念を踏まえ、いますぐ介護タクシーに転向するでしょう。叶うなら介護タクシーの会社を立ち上げ、自動運転が普及しきる前のいまからシェアを獲得し、先駆者利益を得ることに全振りをするはずです。
テクノロジーの波が押し寄せたとき、真っ先に飲まれるのは「機械に置き換えやすい作業」です。生き残るためには、自らのスキルを「機械には代替できない領域」へ一刻も早く組み替える必要があります。
タクシー業界の未来と照らし合わせたとき、私が経営するメイン事業である「内装業(特に賃貸物件などの原状回復工事)」の立ち位置は非常に対照的です。
新築戸建てや大型施設のような規格化された建物であれば、すでにロボットによる自動化が進んでいます。しかし、既存住宅や賃貸物件の原状回復工事は、完全に「個別事案」の連続です。
変形と経年劣化: 築年数に応じた建物の歪み、下地ボードの傷み具合、過去の施工業者の癖など、現場ごとに状態がすべて異なる。
微妙な感覚と力加減: 「どの程度の下地処理が必要か」「クロスを引っ張る力加減」「角の綺麗な納まり」など、指先の触覚フィードバックに依存する作業が多い。
投資対効果の壁: 個別差があまりにも大きい現場に対応させるためのロボットや専用プログラム開発には莫大なコストがかかり、その開発予算すら捻出できないのが現実である。熟練した職人が人間1人の身体で入って施工する方が、遥かに安くスピーディーである。
したがって、内装業界において今後起きるのは「職人が不要になる完全代替」ではありません。「資材の搬入」や「高精度な自動採寸」といったアシストロボットが職人の相棒として現場に入り、作業負担を減らす「拡張」の時代です。
現場での決定的な判断と手作業の核(コア技術)は、これからも人の手に残り続けます。
これほど将来性が高く、人間の技術が重宝される業界であるにもかかわらず、なぜ他業種からの参入が少ないのでしょうか。
答えは単純で、世間のイメージが未だに昔ながらの「3K(きつい・汚い・危険)」で止まっているからです。
しかし、実際の市場で起きている現実は真逆です。高齢化によってベテラン職人の引退が相次ぎ、現場では「施工ができる人」の猛烈な取り合いが起きています。需要過多により、1現場あたりの価値・単価は上がらざるを得ず、本物の技術さえあれば「めちゃくちゃ稼げる」状態が完成しているのです。
また、「過酷な環境」についても、ファン付きウェアやスポットクーラーの普及に加え、今後は画期的なアシスト技術の導入によって肉体的な消耗は劇的に改善されていくでしょう。「体力を削る重労働」から「テクノロジーを使いこなすスマートな技術職」へと進化を遂げつつあるのが、現代の内装業です。
自動化で職が脅かされる領域にいる人ほど、本来はこのブルーオーシャンに真っ先に飛び込むべきなのです。
「職人になるには何年も厳しい下積みが必要なのではないか」という不安も、古い固定観念の一つです。
時代が必要としているのは、だらだらと時間をかける下積みではなく、「標準的なプロの施工技術」を最短で身体に染み込ませ、現場で経験値を爆速で積んでいく合理的な仕組みです。
私たちが展開する「Kitano壁紙スクール」では、40年の現場経験を持つ熟練講師の技術と、構造化された教育ロジックを掛け合わせることで、短期間で1人立ちできるレベルの技術定着を実現しています。
事前動画学習で実習密度を高め、15日間のパーフェクトコースや25日間のエキスパートコース、さらに事業化を目指す独立開業サポートまで、個々の目標に応じたカリキュラムを用意しています。長年の下積みを飛び越え、修了後は独自のR&Dプラットフォームを通じて、即座に実際の現場で経験値を稼ぐことが可能です。
AIやロボットがどれだけ進化しても、「自分の手で価値を生み出せる技術」を持った人間は強いです。
冒頭に話したタクシードライバーの彼のように、まだスキルを組み替えられる職業ならいいでしょう。しかし、組み替えも利かない職業も多く見受けられます。そんな人には大きな変化が必要です。
古いイメージというフィルターを外し、一歩を踏み出した人から順番に、新しい時代の豊かな生き方を手に入れています。あなたも「テクノロジーに取って代わられない側のプロフェッショナル」として、新しいキャリアを始めてみませんか。