長い階段を降りると、桜の公園が広がるのどかな町
① 詐欺師は突然やってくる。
「ピンポーン♪」平日15:00ころインターホンが鳴りました。
「はい」家に一人でいた私が出ました。
「そこの現場で工事している者ですけど、お宅の屋根の瓦が捲れているようです。」
作業服姿の男性の姿が映し出されています。
「(ん?)はい。少しお待ちくださいね。」
私はこの時すでに『リフォーム詐欺』の文字が頭に浮かんでいましたが、ひとまず、出てみることにしました。
モジャモジャ頭のぽっちゃり眼鏡。顎鬚を生やした40前後の男性がいました。
「あ!すみません。そこで工事している者なのですが…屋根の瓦が風かな?捲れているのが見えたので、上の者に行ってやれと言われたので来ました。」
…リフォーム詐欺やん。面倒くさいな。思ったのですが話を続けてみます。
私「そうなんですね。ありがとうございます。どこの部分が捲れているのですか?」
詐欺師「屋根の真ん中の部分です。あのベランダから脚立を立てれば見えます。」とベランダを指さす。
私「どこの現場から見えたのですか?」弱めのジャブを入れる私。
詐欺師「そこを曲がった先です。」と丁寧に現場位置を教える。詐欺師。
知っている。確かにそこを曲がった先には外壁工事のために足場を立てている〇〇さんのお宅がある。しかし、そこはウチより低い土地にある2階建てなのです。しかも我が家は3階建てに挟まれた2階建て。そう簡単に屋根が見える場所は少ないのです。
ここで少し、我が家の住宅環境を説明しなければなりません。我が家は斜面を造成して作った宅地の中腹に建っています。上には6階建てのマンション。3階建てのアパート。下には2階建ての戸建が立ち並んでいます。
詐欺師が指さした方向が斜面の下の方だったのですね。
私(おいおい待て待て)
家の前に6階建てのマンション。3階建てのアパート。そんな我が家に初めてリフォーム詐欺がきた2年前を思い出します。その時の詐欺師は「家の前にあるマンションの屋上の工事をしてて」とまだ理論的だったぞ。なのに今回は見えもしない場所を差すなんてお粗末すぎる。
私(もう少し遊んでみるか…)
「へぇ~あそこの屋根から見えるんですか?3階建て越に?」
詐欺師「そんなの、どこからでも見えるよ。」もう追い込まれている様子。
私「でも脚立もないし。どうしようかな…お名刺いただけます?」もう少し探ろうとして、若干半笑いになってしまったその時。
詐欺師「なんなんだ。あんた!さっきから。」いきなり大声を上げて
「この格好見れば名刺など持っていないの分かるだろ!」
(いやいや。今のご時世、建設業者は名刺を必ず持っている)
「親切心で来てやっているのになんだそのバカにした態度は!」
(あーあ。なんて質の悪い嘘なんだ。勝手に来たのはあんただよ)
TVで詐欺師がバレそうになって逆切れするシーンを見たことはありますか?まさにそんな感じのやりとりでした。
何なのでしょうね。自己肯定感や承認欲求が強い独特なあの態度。
詐欺師の大声で、近所の窓が次々と開き、洗濯物を取り入れながら様子を伺う人の姿が…
詐欺師「もう!ええわ!」最後は関西弁なのね(笑)
親方に電話を掛ける素振りをしながら偉そうに去っていきました。
近所の目を気にして『俺は悪くない』をアピールしたかったのでしょうね。
念には念を押す私。すぐに足場を立てている〇〇さんのお宅に向かいました。
私「こんな人が来たのですけど」経緯を簡単に説明
〇〇さん「え?今日は誰も工事に来てないよ」
はい。リフォーム詐欺確定!
〇〇さんに情報共有と注意喚起をして、3階建ての両隣さんにも「一応見てくれる?」とお願いをし帰宅。
詐欺師よ。東京でも近所付き合いが頻繁なこの町を舐めるな!
その後、馴染みの駐在さんに連絡しようとカメラを見返しましたが、さすが詐欺師でした。姿は一切カメラに残されていません。(詐欺師。そこは勉強したのね)
しかし、お笑い芸人似の詐欺師。顎鬚を生やした画像を生成して、駐在さんに情報共有。役所や地元の同級生。ありとあらゆる私のコミュニティー。家族それぞれのコミュニティーにも情報共有をお願いしました。
もうあの詐欺師は、この町では成果を上げられないでしょうね。
まったく!『リフォーム詐欺』が出てきたせいで我々、建設業は営業しにくくなったんだ。
そんな怒りも込みあげてきます。
白梅、紅梅、蝋梅…鮮やかに咲き誇る近所の梅林
② 対策を考えよう
築40年。都内によくある一軒家。両親が建てた家。高齢者だけで住んでいそう。
外壁工事は5年前にしたので見た目は綺麗です。玄関先も常に綺麗にしています。
ご近所さんとの関係も良く、常に人の目があるエリアです。
これが今回、詐欺師が狙った我が家の住宅環境です。
毎日のように詐欺や押し入り強盗のニュースも流れている現在。
ご高齢の方が今回の詐欺師に出くわしたら、詐欺にあってしまうと感じました。
色々考えましたが、防ぐのは至難の業です。
私は高齢の母がいます。
「絶対出るな!簡単に開けるな。命に関わるぞ。」何べんも言ってますがなかなか。
母の感覚も分かるんです。それほど日本がいきなり大きく変わってしまったのです。
これはもう法整備しかないですね。
「アポなしでの訪問は犯罪」「むやみにインターホンを鳴らすのは犯罪」
くらいしないと命が守れません。押し入り強盗が頻繁に起きる世の中。
真面目に生きている人が損をするのはどうしても納得がいかない。
しかし、日本はすっかり変わってしまいましたね。
何とか最速でみんなの感覚が変わってくれることを願うばかりです。
【終わりに】
私は今まで多くの人を見てきました。目の奥を見れば、その人の『人となり』が見えてしまうのです。
詐欺師は最初から『普通の人の目』をしていませんでした。
なんなんでしょう。悪い人独特のあの目の感じ。恐いとか、目つきが鋭いとかではないのです。目の奥の光が変なのです。
「因果応報」昔の人は良く言ったものだ。
一度、その道に入ってしまったら入る前には戻れないです。
一生、その償いをしなければならない人生が待ち構えます。
あの詐欺師がこれからどんな人生を歩み、どのような「応報」を受けるのか。
私には関係のないことですが、決して逃げられない辛い未来が待ち構えているのです。
一度でも、悪事に身を染めた人間はまともには生きられない。
大概の人はそれを分かって真面目に生きている。
しかし今回、詐欺師はその一線を越えてしまった。
その責任はあの詐欺師が負うこととなる。
これ以上、悪事を重ねないことを切に願う。
一度きりの人生、どうせなら真っ当に生きた方が断然面白い。
私はこれからも、偽りのない人生を生きる。ただ、それだけです。
板橋区の花「ニリンソウ」 花言葉は「清純な心」